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2017年3月23日の大崎裕史の今日の一杯

東京都渋谷区代々木八幡

経堂で23年間(仕出し弁当時代含む)営業していた「季織亭」は2014年2月に店舗の老朽化により、閉店。
その後、ラーメン業界2件目(1件目は「タンタンタイガー」(蔵前))の「クラウドファンディング」を実施し、目標の200万円をクリア。この3月19日に復活を遂げた。

新店は自宅を改装して、新たな「居職」(いじょく)で展開。「居職」とは元々は江戸時代の言葉で「家の中で仕事をすること」を指す。玄関を開け、靴を脱いであがり、テーブルまたはカウンターで料理を待つスタイル。なので、予約優先で当日の場合でも電話確認が望ましいとのこと。ラーメン業界の予約システムは画期的。時間の取り方とか、いろいろ難しいことが多いと思うが新たな営業方法として期待したい。

主なメニューは下記の通り。値段も一般的なラーメンとは違う。
小麦そば つけ 1300円
季節の小麦そば つけ 1500円
塩 1300円
醤油 1300円
変わり小麦そば 1500円

「手打ち小麦蕎麦懐石」コース1 3800円
前菜3種、玉子かけご飯、麺類3種、デザート
「手打ち小麦蕎麦懐石」コース2 4800円
前菜5種、玉子かけご飯、麺類3種、ステーキ、デザート

今回は全貌を知っておきたいのでコース2を注文。
(税別なので5184円)

元々が高級仕出し弁当から始まり、こだわりのラーメンを提供していたので今回も当然食材を厳選。ラーメンは以前は放し飼いの鶏を使っていたが,今回は放牧豚を開拓できたので初めて「豚」もスープに使用。

前菜の食材も味付けもさすが。メニューに載っていた「たまごかけごはん」はアッと驚く姿で提供。コースでは3種類の「手打ち小麦蕎麦」(小麦そばつけ、変わり小麦そば、温かい小麦そば)が堪能できる。最後にデザート。前菜含め、どれもおいしい。3種類ともスープまで完飲。(つけには蕎麦湯ならぬ麦湯が出る)

他の新店も連食しようと思っていたが時間が押したのと腹一杯でもう一軒は食べる余裕がなかった。夜までお腹が空かなかったほど。

時間がかかるので余裕があるときに行くべし。今回は店に入って食べ終わるまでに90分かかった。もちろん品数の多いコース料理なのでそれくらいは覚悟の上で。単品でもそこそこかかりそう。

肉や野菜はもとより、調味料にいたるまで厳選し、安全で栄養価の高いものを使用。秋田県産の無農薬小麦粉とミネラル豊富な全粒粉をブレンド。かん水ではなく天然の重層を使用。捏ねて寝かせて足打ちで仕上げ。

ラーメンを食べるという感じよりも、まさに「そば懐石」。
価格、予約または電話確認、所要時間、などなど、ラーメン業界に一石を投じる新業態と言えよう。

お店データ

季織亭

東京都渋谷区上原1-42-4(代々木八幡)
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2015年12月末現在約23,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。