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「味玉煮干し鶏そば ¥800」@麺屋 ゆるり。の写真土曜日 晴天 16:00 先客3名 後客なし

「ちゃるめ」「ちゅるり」「つるる」「ゆるり」

単なる語呂合わせだけでRDBにて店探しをしていると、こちらの店名が飛び込んできた。昨日は同じ方法で栃木県足利市に見つけてしまったので、遥々遠征を終えて帰京したところだ。しかし今回見つけたコチラは運良くも自宅から乗り換えいらずの東横線沿いにあった。

お店情報を見てみると鶏白湯が主力の店のようだ。最寄りの大倉山駅界隈に友人宅があり、何度か訪れている。駅周辺には大手フライドチキン店や持ち帰り専門の焼鳥店、和風唐揚げのチェーン店が軒を揃える鶏料理のメッカである。そんな鶏大好き人間の集う街にあるラーメン店ならば間違いないであろうと初訪問を決めた。

昨夜の深酒のせいで昼過ぎに起きてしまった土曜日の午後なので、通し営業というのもありがたい。時間を気にせずゆっくりと支度をして午後3時半前に家を出た。各駅しか停車しない駅なので30分程かけて各停で向かうと、久しぶりの大倉山に着いた。改札を出て駅前の通りを北に進むと、通りから少し入った場所に白を基調にした外観のコチラを見つけた。

午後4時という時間帯なので行列はないが、店内には食事中の先客がいた。土曜日のアイドルタイムでも需要があることに少し驚いた。入店し券売機の前でじっくりと品定めをする。やはり鶏白湯推しのようだが、今ひとつ得意ジャンルではないのでボタンの下の方へと目をやると、煮干しと鶏のダブルネームのメニューがあった。写真からは清湯醤油系に見えたので、イチオシを差し置いてコチラのお題を発券した。お試しで味玉も追加してみた。

こじんまりとした店内のL字カウンターに座り店内を物色する。メニュー説明やウンチクが多く貼られた壁が印象に残る。コックピットのように機材が集約された厨房内を本日はツーオペで仕切っている。ご主人と思われる男性が調理の全てを担い、補助役の方は焼豚などの具材を切り分けたりと夜の部の準備を進めている。

着席して待つこと4分程で我が杯が到着した。白磁の鳴門丼の中の姿は、気取ったところのない素朴な顔立ちに見えるが、オリジナリティも見せようとしている。さすがに鶏に特化したラーメンだけに具材にもそれらが表れている。

まずは香味油の粒子が確認できないほどに、まったりと液面を覆ったスープにレンゲを入れてみる。ファーストアタックはタイトル通りの煮干し香がダイレクトに鼻腔を直撃する。液面には煮干しスープ特有の細かな水泡が浮かんでいないので、香りはスープからではなく煮干し油からのものだろう。いざ口に含むと香りの印象よりも更に強い煮干しの香りが襲ってくる。それは煮干し本来の苦味やエグ味よりも、油に移った焦げ臭に思えた。下に潜むスープ自体はサラリとしているが、オイリーな焦げ臭がひとくちで口内に張りめぐらされた。ふた口目は下地のスープの味見のために、レンゲに浮かんだ煮干し油を息を吹きかけて飛ばしてみる。すると油分が飛んだ無垢なスープだけがレンゲに残る。そのスープだけを飲んでみると、上品な清湯鶏ガラスープが顔を出す。丸鶏由来のようなコクはあまりないが、スッキリとしているのに深みもある。鶏ベースの後ろには鰹節の旨みも見え隠れしている。繊細な合わせ出汁に、煮干し油が濃いめの化粧をしているような感じだ。カエシも抑えめで誇張してこないので印象としては煮干し油の独壇場となっている。

麺上げまで80秒ジャストの中細ストレート麺を箸で拾い上げると、軽やかさが伝わってくるので密度の低い低加水麺に思われる。麺肌には煮干し油が全面にコーティングされているので箸を上下するたびに香りが放たれる。数本を束にして思い切り啜ってみると油膜分が潤滑油となって軽快な口当たりで滑り込んでくる。歯触りとしてはハリを残した茹で加減なのでパサつきもあるが、その分を油分が補ってもくれている。噛みつぶしてみると小麦の香りや甘みも穏やかなので繊細な麺の採用されている。

具材にも鶏の個性を打ち出してある。チャーシューは、よくある鶏ムネ肉の低温調理ではなく鶏モモ肉のローストタイプが二枚。つまりは焼き鳥型。しっかりとした食感が良く、旨みも詰まっている。焼いた皮目の下の脂分が旨みと香ばしさをさらに強くする。シンプルな下味なので煮干しの香りに少し負けている。

もう一つのオリジナリティを感じる具材が鶏団子だ。粗く叩いた鶏ムネ肉ミンチに香辛料を利かせた味付けが美味しい。あまりラーメン店の鶏団子は味がスープに抜け出しているので好きではないが、この鶏団子は別仕込みなので旨みが団子の中に残っている。また粗挽きならではの肉々しい食感も素晴らしい。

追加した味玉は半カットされて添えてある。写真の見た目からも半熟のグラデーションが美しく、食べなくとも丁寧な仕事ぶりが分かる。肝心の味付けも醤油が先行するではなく、出汁の旨みを上手く浸透させているので黄身の甘みが膨らんで感じる。

穂先メンマは歯応えを残すが繊維質の口溶けは素晴らしい。味も控えめで麻竹の発酵臭を感じられる仕上がりも良い。

薬味は青ねぎの小口切りとタマネギアッシェが添えてある。鶏出汁に合わせた青ねぎは香りと歯ざわりを担当している。煮干し油に合わせたタマネギアッシェは辛味と食感で持ち味を出している。

終盤に差しかかるとスープの中で強麺が少し表情を変えてきた。スープを吸っていくらか太った麺質が小麦の甘さを生み出している。私の中では麺質のピークはこの頃だったと思えた。

最終的にはスープの焦げ臭に隠れた謎の旨味成分も顔を出してきたのでレンゲを置いた。席を立って店を出る際に券売機をもう一度見てみたが、純粋な鶏清湯醤油系が見受けられなかった。もし煮干し以外の香味油で仕上げる清湯醤油ラーメンを作られたら是非に食べてみたいと思った一杯でした。

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