なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

「味玉塩らぁ麺 ¥880」@支那蕎麦屋 藤花の写真平日 薄曇り 9:50 待ちなし 先客2名 後客1名

こちらの難敵を攻略する日が訪れた。難敵と言うのは最寄駅からの距離が1kmを超える点だ。皆さんのレビューを拝見しても交通手段の悪さを挙げる人も多くラーメンには興味があるのだが初訪問を先送りにしてきた。

何気なく自宅からのルートを検索してみると想定外のルートが見つかった。東急田園都市線と東急バスを利用したルートだ。最寄駅の鴨居駅に行くには当然のようにJR横浜線を利用しなければいけないと思い込んでいたのだが、その手があったとは驚いた。

この事を知ってからは開店時間が午前10時と早いので、いつか早起き出来た日にはチャレンジしてみたいと思っていたのだ。それから幾度か早く目が覚めチャンスがあったが不運にも定休日に重なってしまったのだ。

しかし本日は快調な目覚めの上に定休日でもなく今日を逃してはいけないと早々に身支度を整え渋谷駅に向かい田園都市線に乗った。朝の下り電車なので混雑はないと思っていたが学生さん達で大混雑だ。沿線上に大学が多いのを忘れていた。乗り慣れない田園都市線の中で初めて降りると言うよりも聞いたことすらなかった市が尾駅に着いた。ここからはバスに乗り継ぐのだが駅前は東急沿線ぽく作られた街並みが広がる。バス停もロータリーのように点在し東急バスの要所に見える。

市03系統のバスに乗り揺られること20分と少しで最寄りの梅田橋バス停に着いたが車中の景色から一変し大きな産業道路の交差点に出た。工場が多いせいかケミカルな匂いがする交差点だった。そこからは歩いてもすぐの距離で店に着いた。

幹線道路沿いに大きく目立つ看板が目印でまだ人影もなく少し離れた場所から張り込みを開始する。定刻になっても入店する客の姿もないので少し待っていると店頭の駐車場に車が止まり先客が入店した。それに続いて券売機で左端のイチオシと思われるお題を発券しカウンターに腰を下ろす。

店内はツーオペながら食券を受け取りにホールまで出てきてくれて手渡しする徹底ぶり。満席でないからかも知れないが丁寧さを感じた。塩系推しのようで店内には鰹節や煮干しの香りはしないが何故か焦げくさく感じた。調理場に目をやると数種類の雪平鍋の持ち手がどれも焦げていたのでそれが原因かと思った。

匂いの原因を自己解決したところに着席して10分程で我が道が到着した。小ぶりな屋号入りのオリジナル切立丼の中の姿は色彩は艶やかで女性的だが盛り付けが雑と言うか男っぽいと言うかアンバランスな第一印象。

まずは澄み渡る白橡色のスープをひとくち。いきなり鷄ベースの出汁が襲いかかってくる。鷄出汁のワンマンショー状態のスープ。しかしガツンと責め立てるのではなくグッと溢れて押し寄せてくる感覚は味わった事がないスープで明らかにこの一杯の中で主役を演じている。角の立ってない塩ダレも主役の出汁の旨さを引き立てる脇役を演じる。

麺は茹で釜に投入されて100秒で引き上げられた平打ちの中太麺で柔らかくしなやかさを売りにしているようだ。歯応えのない麺は苦手だが歯切れこそ良くないがもっちりとした噛み心地とツルッとした喉ごしが絶妙なバランスで喉の奥へと滑り込んで行く。加水率も高そうだがスープとの絡みも良く常に寄り添って主役のスープを盛り立てる。

具材は豚バラ焼豚が一枚で煮豚型に見えるが表面には蜜ダレが塗られてあり穏やかな薫香も付けてある。煮豚型と吊るし焼きのハイブリッドだろうか。脂身の獣臭さは落として赤身の旨みは凝縮してある素晴らしい焼豚。この舞台の上で主役を食わんばかりの存在感をアピールしている。入店した時に感じた焦げくささの正体は焼豚の薫香だった事にようやく気付いた。改めてお詫びと訂正をいたします。

追加したオススメの味玉は黄身が流れ出すギリギリの下茹でで味付けも浸み込みも良い。このラーメンの中で唯一の醤油香が全体を引き締めてくれる頼むべきトッピングだ。

穂先メンマはかなり細く割かれているが適度な歯応えと独特の発酵臭を残しているので無くてはならない存在だ。青み役を演じるのは青梗菜だが通常の物ではなくミニ青梗菜を起用する事でスジの少ない食感を表現している。このあたりの名脇役の配役には感動してしまった。

薬味は白髪ねぎと赤玉ねぎのアッシェだが本来は得意でないと薬味なのだが、このスープと麺に対しては必然の組み合わせに思えた。丁寧な仕事の白髪ねぎは麺の邪魔をしないように寄り添い、玉ねぎもスープに甘みと辛みを与えて陰ながら主役を支えている。

ここまでは完璧なプロデューサーによる配役だったが唯一の配役ミスを犯しているように思えて仕方ない役がある。それは薬味の水菜だ。彩りだけに存在し香りも食感も演じていない。本来なら九条ねぎが脇を固める役目のはずがギャラ不足なのか理由は分からないが九条ねぎの代役が水菜では役の荷が重すぎた。

最高の舞台になり盛大な拍手喝采となるはずが配役ひとつで私には少し残念な舞台となってしまった。

朝イチのラーメンなのに無理なく完食できた。やや不満も残るが満足して店を後にした。鷄出汁と小麦の香りを口の中と鼻腔に収めて帰ろうとしたがケミカルな工場の匂いの中で帰りのバスを20分待つ事になり直ぐに町の匂いにかき消されてしまった。

この時まだ午前10時20分と連食のチャンスと思い滅多に来ないこの界隈で候補の店を探しながら帰路につく一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 2件

コメント

まだコメントがありません。